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県単位でタクシーの全面禁煙を進める動きが加速している。朝日新聞が都道府県の法人タクシー協会などに聞いたところ、6月に長野、大分、7月に神奈川で実施予定。千葉、富山、岡山でも時期は未定だが全面導入の予定がある。運賃値上げに伴うサービス向上という背景もある。一方で、実現困難としている地域では「乗客とのトラブルが心配」「売り上げが減少する」などを理由に挙げている。
神奈川県では、7月から法人タクシーの全面禁煙を決めた。乗り場に並ぶ禁煙車はまだまばらだ=横浜駅前で タクシー全面禁煙の導入を予定している都道府県
調査は、全国の法人タクシーの9割以上が加入する全国乗用自動車連合会の各都道府県の協会や組合を対象にした。
名古屋タクシー協会は5月1日から、同市内と近郊の営業車のほとんどにあたる約8千台を政令指定都市では初めて全面禁煙にする。愛知県全域でも県タクシー協会は5年後の完全禁煙を目指している。03年に施行され公共施設などでの受動喫煙防止を義務づけた健康増進法に基づいている。
神奈川県タクシー協会(約1万1000台)は4月25日の役員会で、運賃値上げに伴うサービス向上策として7月11日からの全面禁煙を決めた。横浜、川崎といった指定市を抱え、全県で導入する。
県個人タクシー協会(約2800台)は「意向は持っているが検討中」と話す。法人と違って個人事業者の集まりのため「一斉実施はなかなか困難」なためだ。ただ禁煙車の割合は2月末の16.7%から1カ月後には17.7%と増加。「禁煙車の流れは止められない」との見方を示す。
東京乗用旅客自動車協会(約3万4000台)は、客の喫煙要望が強いなど「懸案材料が多い」として予定はないという。
長野県タクシー協会(約3370台)は6月に全面禁煙を導入の予定。県個人タクシー協会(約80台)も追随する方針を固めている。
大分県タクシー協会(約2500台)は、大分市、別府市が昨年全市での禁煙を実施していることから、県内での禁煙率はすでに9割。6月には100%の禁煙化を目指す。大分県個人タクシー協会の約180台は、昨年から実施している。高知県ハイヤー協会(高知市を除く)でも来年4月から全面禁煙を予定している。
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